梶さんを偲んで
梶さんこと、梶ヶ谷忠雄さんが6月5日朝眠るように永眠されました享年73歳
ここに車旅友の一人として謹んで心よりご冥福をお祈りいたします
梶ヶ谷(通称は梶さん)さんとは、私が車旅を始めるきっかけになった友で、今でもわずかにのこる
梶さんのHPのトッペ−ジにはその時に撮った車デリカでの写真が掲載されています。
それは平成12年梶さんが車旅を初めてすぐ9月1日に、北海道の紋別道の駅で偶然隣り合わせとなり、
何となく話をし車のなかを見せてもらい、翌日2日にまた偶然にも摩周道の駅で会いました。
我々も刺激を受け私達もキャンピングカ−風に車のなかを改造、その後はキャンピングカ−を購入
し本格的に北海道や東北方面を中心に車旅をすることになったのです。
梶さん風に言うならば現代人はゆっくりと旅することを忘れていつも急いでいると、ツア−等は点や
線の旅であるが、キャンピングカ−でゆっくりと面の旅をすることが本当の旅ではないかと・・・
・・・・梶さんは車旅で多くの人との出会いを心から楽しんだ人でした。
梶さんは、平成2年に奥さんが亡くなられ、定年後の平成12年5月からキャンピングカ−に奥さんの
位牌と写真を携えて一緒に旅をし、夏は北海道に冬は沖縄と日本国中をくまなく何度も廻られ、その
時々の、人との出会い、風景や感じたことを和歌で詠み旅情報と一緒に旅友にメ−ルで送ってくれま
した。
キャンピングカ−には大きな文字で「いい人 いい旅 いい老後」の梶さん 日本国中を旅し車旅の
仲間では知る人ぞ知るかなりの有名人で、人懐こい笑顔で話しかけ大勢の旅のメル友を持ち、私も
北海道や伊豆、諏訪等と何度か一緒に旅をしましたが娘さんと同じ名前の喫茶店があると、ここに
はいつも 立ち寄るんだと話されていました。何処にいても心の中はいつも奥さんや娘さんのことを
気にかけていたのです。
一昨年秋に体調を崩されていましたが、とうとう戻ることのできない天国の旅に出発されました。
今頃はどんな旅をしているのでしょうか。多くの人達に囲まれて楽しい旅を続けていることで
しょうね。
梶さん、皆さんに楽しい多くの思い出を残してくれて有難うございました。 合掌
梶さんの詩を三句 2004.11.13 住友信託銀行(現・三井住友信託
銀行)主催
第四回60歳のラブレタ−に応募、金賞受賞
球磨川に 映す夜星や 満月に 亡き妻想い 手を合わせけり
2004.5.11 諏訪の御柱祭りで
にじみ出る 感謝の気持ち 民の顔 神々おわす 諏訪大社祭
2004.11.10 佐賀県多良岳横断道路にて
山ゆけば 赤や黄色で 化粧して あとは初雪 待つばかりなり
2009.5.25 薩摩の国 日当山温泉で
いにしえの 祭り見るたび 日本はいいね〜 旅はいいね〜
梶さんから奥さんへのラブレタ−
夫から妻へのラブレタ−
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・梶さんは「60歳のラブレタ−」には第4回に金賞を受賞しその後、第7回にも応募しています。
受賞作は版権がない為に残念ながら詳しくは掲載できないので抜粋で一部ご紹介します。
山形から嫁いできたばかりの君は、はずかしいからと電話に出なかったね。・・・・・・・・・・
夏休みには、三人でよく上高地や志賀高原へキャンプをしに行ったね・・・・・・・・・・・・・
天にめされる直前に、「お父さん、私はシ・ア・ワ・セでした」と、言ってくれたね。(涙)・・・
分かるかい、見えるかい。○○よ、○○よ、今でもお前を愛しているよ・・・・・・・・・・・・
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奥さんから
梶さんへのラブレタ−より抜粋
60歳のラブレタ−を受賞後に夢でみたと言う奥さんからのラブレタ−
天界の愛妻から返書ラブレタ−
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返書 「敬愛する○○さまへ 天界の○○より」
私への「60歳のラブレター」ありがとうございます。
今でも愛してくれているという言葉に感謝しております。
貴方が会社の仕事に夢中な姿は、うらやましく又、尊敬もしておりました。
妻に先立たれた夫は、長生き出来ないと言われてまして正直、私も心配いたしておりました。
そう、食事は不規則、不摂生、人間関係もうまくいかず、酒浸りしたり・・・・して
でも、あなたは平気ね。もう五年もキャンピングカーで日本中旅してるんですもの。
位牌と写真持って、私もご一緒させて頂きありがとう。
「布施」という言葉はおめぐみを戴くだけでなくおめぐみを与えるという意味があるのね。
あなたは日本各地の方々と、まさに「布施」している様を見て安心しております。
それと、車の中。パソコン、プリンター、スキャナー、無線機や沢山の本でイッパイですが
足の早いモヤシや魚、ネギも見えるわ。早く食べてください。
あなたは娘に、「病気以外で死ぬとしたら、落石注意の谷間の所かも」と、言ってたわね。
歴史、お祭りだけでなく、風光明媚な渓谷が好きなあなたですもの。
でもそれは、私が天からお守りしてるわ。
だって、そこで私も一緒に石の下敷きになったら、わたし今度はどこに行くの?・・・(*^_^*)
「球磨川に 映す夜星や 満月に 亡き妻想い
手を合わせけり」なんて詠んで、おセンチにならないでね。
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